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アスペルガー症候群は遺伝する可能性が高い説が今は明らかに有力になっている

アスペルガー症候群を含む発達障害を扱うのは腫れ物に触るような時代は「アスペは遺伝」説はタブーのように扱われていましたが、今ではアスペルガー症候群は遺伝的要素が強いという説が圧倒的に有力説になっています。




私もアスペルガー症候群と診断されたことを母親に報告したところ、「夫(私の父)にもその傾向がある」と言っていましたが、アスペルガーが遺伝的要素が強いと考えられる理由は多くあり、説得力ある根拠も数多く出ています。

1.アスペルガーが遺伝的要素が強いと考えられる理由

アスペルガー症候群は親の育て方の問題や本人の性格の問題ではなく、先天的な脳の働きが定型発達と異なっているということです。

アスペルガー症候群の人は脳の中の内側前頭前野(相手の心を理解しようとする部分)と、後部帯状回(自分の考えや行動を評価する部分)がほとんど連携しないことが原因で「相手の気持ちを考えて行動できない」という研究結果があります。

また、アスペルガーの人が昔のことをよく覚えているのは、脳があらゆる記憶を大脳新皮質(記憶を長期保存する場所)に保存するという、定型発達の人には見られない脳の動きがあることもわかっています。

これらの先天的な脳の働きは遺伝的な影響を受けるため、アスペルガーは遺伝的要素が強いと言われています。

また、「アスペルガー症候群になる遺伝子」が存在する訳ではなく、「社会性が低い遺伝子」「相手の感情を読む力が弱い遺伝子」「想像力が低い遺伝子」などが遺伝されることにより子どもにもアスペルガー症候群が出るとされています。

「アスペルガー症候群は根本的な傾向は同じだが、具体的な特徴や症状は全ての人で異なる」という説が有力説ですが、この理由として精神科医の岡田尊司氏は著書「アスペルガー症候群」の中で、「一つの遺伝子によって自閉症が引き起こされるという単純なものではなく、多くのケースでは言語的能力、共感性、社会的知能などに関わる複数の遺伝子があり、その組み合わせで症状のバラツキがある」とも説明しています。

この「アスペルガーは根本的な傾向は共通していても、特徴は人によって全て違う」という点は、生後の外的環境や1つの遺伝子でアスペルガーになるのではなく、遺伝子の組み合わせが人によって違うからだと考えると納得できます。




2.アスペルガーが遺伝的要素が強いと判断できる根拠

1960年代に行われた遺伝的研究では、アスペルガーを含む自閉症(当時の呼び名で。今ならアスペルガーを含む「自閉症スペクトラム障害」。以下同じ。)がみられる頻度は一般人口の0.6%だったのに対し、第一子に自閉症の子どもがいる場合、第二子に自閉症の子どもが生まれる確率は3〜5%という割合でした。

さらに、一卵性双生児の片方が自閉症である場合にもう片方も自閉症である率を示す「一致率」は、二卵性双生児の一致率よりも明らかに高いという統計もあります。

これについては橘玲氏の著書「言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)」の中で詳細に解説がされています。

一卵性双生児は同じ受精卵が2つに分かれて育ったため100%同じ遺伝子を持ち、二卵性双生児は2つの受精卵がほぼ同時期に着床して育ったため他の兄弟のように別々の遺伝子を持ちます。

ほとんどの双生児は一卵性であろうと二卵性であろうとほとんど同じ環境で育っているため、「一卵性双生児の自閉症の一致率と二卵性双生児の自閉症の一致率に差がある場合、それは遺伝の影響が大きい」と判断できます。

同著書で豊富な証拠をもとにまとめられている内容によると、一卵性双生児の自閉症の一致率は約65%であるのに対し、二卵性双生児の自閉症の一致率は約10%と大幅に差があり、これはかなり遺伝の影響があることを示しています。

他の項目と比較してみると、例えば学業の成績は一卵性双生児の一致率は約70%、二卵性双生児の一致率は約50%、乳がんは一卵性双生児の一致率が15%、二卵性双生児の一致率が約10%であり、「遺伝する」という噂の高い勉強の成績やがんよりも、自閉症の方がはるかに遺伝の影響が大きいと言えます。

さらに、一卵性双生児でも別々の学校に通っていたり、違う習い事をしているなどの関係で違う食生活や人間関係を持ったりすると差が出る可能性があります。

また、海外などでは「同じ子は2人いらない」という理由から、昔から一卵性双生児が生まれたら養子に出されることは多くあったのですが、このような「生活環境が全く別々の一卵性双生児」の双方の研究をすると、病気や性格や学校の成績などについて、

1.遺伝の影響(お互いを近づける力・一卵性双生児の一致率の高さに影響)
2.家庭の影響(お互いを近づける力・双生児の一致率の高さに影響)
3.家庭以外の環境の影響(お互いを遠ざける力・双生児の一致率の低さに影響)

がどれくらい影響されるのかを算出できます。

例えば、学業の成績のように「一卵性双生児の一致率も高いが、近い数値で二卵性双生児の数値も高い」という項目は1.と2.の影響が強く、乳がんのように「一卵性双生児の一致率は低いが、近い数値で二卵性双生児の数値も低い」という項目は2.の影響が高いと言えます。

上述の「言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)」の中では自閉症の影響度について、男児の場合は82%が遺伝、0%が家庭、18%が家庭以外の環境の影響だと説明できると解説しています。

これが女児の場合、87%が遺伝、0%が家庭、13%が家庭以外の環境の影響だと説明できるとしています。

いずれも遺伝の影響が最も強く、家庭以外の影響も多少あり、家庭の影響はほとんどないと言えます。

同著によると、家庭での影響が強い項目として「言語性知能」が挙げられています。

この言語性知能は14%が遺伝、58%が家庭、28%が家庭以外の影響だとしており、父親も母親も日本語を話していれば自然と子どもが日本語を覚えるという現象などで説明がつきますが、これと比べて「家庭環境が原因でアスペルガーになる」という影響度はほぼないと説明できます。

同著で紹介されている項目で特に遺伝率(その人のある特徴の何%が遺伝が原因と説明できるか)が高いのが音楽で92%、数学で87%、スポーツで85%、執筆で83%、ADHDで80%などがあります。

アスペルガーを含む自閉症の遺伝率も男性で82%、女性で87%と高いですが、アスペルガーの人は音楽、数学、執筆などで偉大な功績を残すことが多く、スポーツは苦手、ADHDを併発しやすいという特徴があり、これはこれらの全ての特徴のほとんどの原因は遺伝であると説明できることを示しています。



また、実際にアスペルガー症候群やそのパートナーを改善して来た医師やカウンセラーなどの専門家も「アスペルガー症候群の人の親にアスペルガー症候群の傾向が見られるケースは多い」と説明している人が多いです。

アスペルガー症候群専門のカウンセラーのマクシーン・アストン氏は著書「アスペルガーの男性が女性について知っておきたいこと」の中で「これまで診て来たアスペルガーの家族で、親のいずれかにアスペルガー症候群の傾向が少しでも見られる例は全体の半数以上にのぼる」と解説しています。



3.親がアスペルガーだった場合の対処法

まず、今の研究では親がアスペルガーな場合、必ず子どももアスペルガーであるとは判断できないと考える必要があります。

ただし、子どもがアスペルガー症候群である場合、親と子どもの双方の負担を減らすためにも早期に発見できた方がよいです。

精神科医の西脇俊二氏は著書「僕がこの病気を乗りこえてきてわかったこと ~コミックエッセイ アスペルガー症候群との上手なつきあい方入門」の中で、「目が合わない、指差しをしない、常に同じように動く、一人遊びにふける、突然笑い出したり泣き出したりする、順番などに異常にこだわるなどの症状が3歳までに気になればアスペルガー症候群が疑われる。」と解説しています。

子どもがアスペルガーである場合の子育てのコツを書いた本や、支援機関は今は増えて来ていますので、早期に発見して早期に対処方法を知ることができるようになると言えます。

また、アスペルガーの親は子どもに対して変わった行動を取り、子どもを驚かせてしまうことがあります。

そのためには、例えばアスペルガー夫と定型発達の妻の場合であれば、子どもが幼い頃は子どもに対してやってはいけないことを旦那さんに対して冷静に、丁寧に、ルールを説明したり、子どもが育って来た段階であれば子どもにもアスペルガーのことを説明し、「言わなくてもわかるだろうと思わず、ハッキリ言う」「ムリを言わない」「変なことを言ったりやったりしたら教えてあげる」など父親への対応法を家族で共有するなどの対策が必要になります。





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