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大人のアスペルガー症候群を克服するのに有効な11の方法

アスペルガーの障害自体は生まれながらの脳の障害なので定型発達と同じような脳になることはありませんが、その特徴が現れた言動、それによる問題やトラブル、周囲の苦労などは言動の改善により克服していくことが可能です。




大人のアスペルガー症候群の特徴的な言動の中で問題になるようなものを克服する方法には以下のようなアプローチがあります。


第一章:アスペルガーでも快適に生きてゆきやすい環境を整備する編

アスペルガー症候群の根本的な脳の障害は治せるものではなく、その根本原因とは本人も周囲も一生付き合って行くものであるため、アスペルガーの克服には周囲の環境づくりが最も有効だとされています。

(1)周囲の人にアスペルガー症候群を理解してもらう

アスペルガーが生きて行きやすい環境づくりの最初の一歩であり、かつ最も重要だとされているのは周囲の人にアスペルガー症候群を理解してもらうことです。

最近ではアスペルガー症候群や発達障害に関連するテレビの特集や書籍なども増えて来ており、認知は広がって来ています。

しかし、テレビ番組で紹介される内容などを見ていると「最近の脳科学で、発達障害の人は音の感じ方に違いがあることがわかった。」「へえ〜発達障害の人って外に出るとまぶしいんだ。」「発達障害の人に植木の水やりをお願いしたらこぼれるまで水をあげたんだって。」くらいの表面的な内容が多く、これらを見ただけでは「そうなんだ。大変だね。難しい問題だね。」くらいにしか議論が膨らまず、これだけで必要な理解が得られるものでは到底ありません。

専門家が十分な裏付けの臨床実験結果などをもとに書いた書籍や、専門家の監修のもとで当事者が十分な手間をかけて書いた書籍なども色々出ていますが、現実的にはみんなが(テレビやネットに落ちている情報だけではなく)理解の深まる書籍を何冊も読んで理解に努めるまでにはなかなか行きません。

しかし、アスペルガー症候群の根本原因である脳の障害は完治するものではない以上、本人の努力だけでなく、周囲も工夫して一緒に快適に過ごして行く環境づくりをすることは必要であり、その第一歩がアスペルガー症候群への正しい理解であることは間違いありません。

私が心療内科医からアスペルガー症候群の診断をされた際、「具体的に何をすればよいですか?」と医師に聞いたところ、「まずは奥さんにアスペルガー症候群の書籍を読んでもらうこと。まずはそれだけです。」と言われました。

今は妻も少しずつ知識を入れるようにしてくれているので助かっていますが、何か夫婦間のトラブルが起こり妻が(共感してほしいのではなく)解決策を探っているようなタイミングであれば、私も強要しないようには気をつけながら、有益な書籍を1冊でも多く読んでもらうよう薦めています。

もし、奥さんがアスペルガーの旦那さんとの生活に困っているのであれば、「一緒にいてもひとり―アスペルガーの結婚がうまくいくために」の1冊だけでも読んでおくとかなりの理解が進みます。

これはアスペルガーの旦那さんを持つ奥さんがカサンドラになり、克服するまでの体験記を綴っているだけでなく、過去のその時その時の状況についてアスペルガーの旦那さんにも全て確認を取りながら記録をまとめているため、アスペルガーの旦那さんの状況と奥さんの状況の両方を克明に、正確に記録されていて、しかも読みやすいです。

この1冊を読むのと読まないのでは周囲の理解度は全く変わると言っていい1冊です。




(2)仕事や生活しやすい周辺環境を作る

アスペルガーの人の中には視覚・聴覚・触覚などの感覚のうちどれかが過敏であるタイプがいますが、これらの人の場合は仕事をする環境はオープンで人が目の前をしょっちゅう通る環境よりも、パーテーションで区切られているような環境の方が向いています。

また、家にいるときも騒音が気になるような場合は、気になったタイミングでドアを閉めて騒音をシャットアウトできる場所にいるようにしたりするなどの工夫も有効です。

特にパーソナルスペースにいたいタイプのアスペルガーもいますが、私はこの傾向が強いため、家の中で仕事をしたり好きな調べ物をしたり本を読んだりするスペース(我が家では「書斎」と呼んでいます)を作ってもらうことにし、何か自分のことをやりたいときはここで集中してやらせてもらうようにしています。


(3)ルールを作る

アスペルガーの人はルールを作り、ルールを守ることが好きなタイプの人が多いです。

このタイプの人はルールから外れることが許せなくなったり、ルールにないことに対応することが苦手だったりすることが多いです。

私もルールを守ることが好きなので、周囲の人が私の行動に対して不服に思っているような時はルールを作ろうとする癖があります。

これが複数人数だと「ルール」、二人の間のルールであれば「約束」となります。

このルールが出来た後に私がルールを破ってしまい問題になった場合は「ルールを破ってはならない」という認識は私にはあるため、「ルールを破ってごめん。俺が悪かったから、この件の後始末は俺が全てするわ。」と思うことができます。

ただし、ルールを破ったわけでもないのに、まるでルールを破ったように批難されることは私にとっては非常に大きなストレスです。

例えば、「今日は俺が洗濯物を片付ける」という約束を朝した場合、その日の夕方に妻から「まだ洗濯物を畳んでない!」と批難されるようなことがあれば、「午前中に片付けるというルールではなく、今日片付けるというルールであり、ルールを破った訳ではないのに批難されるというのはおかしい。」と反発したくなってしまいます。

しかも、この場合、妻が私を批難しているわけではなく「洗濯物、たたむのを忘れないようにね。」とリマインドしてくれた場合であったとしても、言い方によっては「批難された!ルールを破ってないのに!ここは言い返さなければ!」と受け取ってしまうことがあるので、余計にやっかいです。

この場合、「覚えてるかな?」くらいに軽くリマインドしてくれれば助かりますし、もし忘れていて翌朝になっても私が洗濯物を畳んでいなかった場合「昨日、洗濯物を畳むと言っていたよね?」と(たとえ冷たい言い方であったも)冷静に言ってもらえれば「ルールを破ってごめん。俺が悪かったから、この件の後始末は俺が全てする必要があるので今から畳むわ。」と畳むことができます。

なお、私はルールにない行動をまかされた場合、それは「好きにやっていい」とみなして行動してしまう傾向があるため、「ルールにない状況であれば、好きにやっていいこととする」というルールを作ってもらえた方が助かります。


(4)アスペルガーのこだわりを邪魔されないようにしておく

アスペルガーの人は趣味、ハマっている研究対象、日課、ルーティンワーク、手順、その他日常生活のあらゆる部分にこだわりを持っていることが多く、これを変えることができにくい上に、周囲に邪魔されるとストレスが一気に高まってしまうという特徴があります。

このこだわりは非常に広範囲に及び、物理学の研究、マンガを読むこと、昆虫の収集、毎朝起きたらタバコを吸うこと、5分かけて歯を磨くこと、ご飯の前に箸を洗うことなどなど、人生を賭して取り組んでいるようなことからただの癖みたいなものまで様々です。

そして、何でも論理的に考えたいアスペルガーの人は、「やりすぎ」と思える研究から、「意味不明」と思える日常生活の癖までなんらかの理由を持って行っています。

その上、これらを邪魔されることのストレスは非常に大きなものとなるので、邪魔された時はアスペルガーはアスペルガーなりの論理をまくしたてて怒ってしまうことが多いです。

そこで、重要なのはアスペルガー自身が周囲に「このような理由で、こうすることにしているから、協力してくれないか。」と理解を求めることと、周囲はなるべく理解し、できれば邪魔しないようにしてあげることです。

最悪なのは、よく見られる「夫が子育てを手伝わないから」「私だって仕事と家事で大変なのに趣味ばかりやっているから」などという理由をつけて、夫のコレクションしているフィギュアを捨ててしまうようなことです。

この手の体験談はネット上に色々落ちていますが、私はこのようなことがもし我が家で起こったらと思うと、自分がどのようなおぞましい反撃に出るかを想像しただけで吐き気がします。

私はフィギュアなどのコレクション癖はありませんが、もし没頭している趣味を邪魔されたと思ったら、家計を破綻に追いやってでももう一度同じお金をかけて趣味のものに投資をすると思いますし、そのストレスの高さを想像すると復讐や無気力に陥る可能性は十分あると思います。

アスペルガーの人はちゃんと周囲に「自分がなぜこれにこだわっているのか」の説明をし、周囲はその理由が理解できようとできなかろうとなるべく邪魔しないようにしてあげるのが家庭や仕事を円滑にするコツです。

なお、もちろんアスペルガーのこだわりが原因で日常生活や社会生活に支障をきたしたりするようなら精神科や心療内科などの専門の機関の指示を仰ぐことが必要です。

また、アスペルガー自身にとってもハマっている趣味や研究対象を止めることは難しくても、仕事の手順や日常の癖レベルのこだわりを変えることはまだ比較的やりやすいので、周囲が困っているのであれば小さなことは自分から変えられないか考えてみるなどの工夫も有効です。


(5)苦手なことは他の人にやってもらう

アスペルガーの人は得意なことと苦手なことの差がはっきりしていることが多いです。

得意な仕事と苦手な仕事、得意な日常生活の活動と苦手な活動、得意な会話と苦手な会話などがあります。

得意な仕事は研究したり、知識を使ったり、論理を使ったり、1人で集中したり、説明したりする仕事ですが、苦手な仕事は相手の気持ちを察したり、臨機応変に対応したり、複数の作業を同時並行で進めたり、メンバーの考えを察しながら調整したりする仕事です。

得意な日常生活の活動は決められた作業をこなすこと、大きな目標に向かって活動すること、一人でやることで、苦手な活動は周囲との関わり、大人数の場で適切に振る舞うこと、誰かの気持ちを思いやって動くこと、突発的な出来事に対応することなどです。

得意な会話は説明すること、共通の趣味の話をすること、一方的に話すことか余計なことを言わないように黙っていることくらいで、だいたいのスムーズな会話は苦手です。

これは周囲がアスペルガーの特徴を深く理解してくれさえすれば、苦手なことは職場であれば同僚や外注先などに、日常生活であれば奥さんなどの身内や地域の仲間などにお願いすることも可能です。

アスペルガー自身は失敗することを嫌う人も多い上に、苦手なことはいつまでたっても苦手であることが多いので、そうであれば苦手なことは最初から誰か別の人にお願いしてしまった方が本人も周囲も得をすることがほとんどです。


第二章:ストレスを爆発させることを防ぐ

(6)アンガーマネジメントを行う

アスペルガーのストレスが爆発した時は本人も大変ですが、周囲にも迷惑をかけます。

人を傷つけることもありますし、コミュニケーションの不通が原因で仕事がうまくいかなくなることもありますし、信用を失うこともありますし、友達を失うこともありますし、なによりだいたいの場合は(アスペルガー本人は気づかないことが多いですが)空気が悪くなります。

アスペルガー本人がこれを克服するための有効な方法としてアンガーマネジメントという方法が今は色々研究されています。

アンガーマネジメントの手法には、スマホを使って手軽にできるものから、手間も年月もかかるけどなるべく根本的に治すものまで色々な方法の成果が明らかになって来ています。

私も色々な方法を調べて実践していますが、特に有効だったのが「「怒り」のマネジメント術 できる人ほどイライラしない (朝日新書)」という本に紹介されている方法の数々です。

特に有効なのが、「怒りを感じた際に、何に対して怒りを感じたのか。それはどうすれば解決されるのか。」をいちいち振り返るという方法です。

これは発達障害者に対して行われる認知行動療法のお手軽版のような方法であり、無料のスマホアプリを使って手軽に実践する方法も紹介されています。

この方法のよい点は、怒りを爆発させる回数を減らす方法として「その場で収める」という方法を取らず、後から振り返るという方法をとっている点が現実的であることです。

実際、怒りが爆発している時は頭の中も混乱していることが多く、何かに対して「許せない」という思いが強い状態なので、本当に大事な「どうすれば今後、怒りを感じなくなるか」という点については現実的には考えられないことが多いからです。

また、

このような出来事が起こった

その出来事に対して、このようなマイナスの感情を持った

マイナスの感情を持ったことに対する評価はこうだ

これからどうするか?

というように、怒りを爆発させる回数を減らす方法にについて、具体的かつ論理的なアプローチで解決を図るという方法も私に合っていたと思います。




(7)目を動かす

アスペルガーの人が怒りを爆発させそうな時にその場で怒りをおさめる方法として「目を左右に動かす」という方法が紹介されています。

この方法は両手の人差し指を顔の前に持って行き、右手人差し指、左手人差し指、右手人差し指・・・という順番で見ることで怒りを収めるという方法です。

これに類似した方法は「「怒り」のマネジメント術 できる人ほどイライラしない (朝日新書)」にも色々と紹介されていて、ゆっくりと10数えるなど、別のことに興味の対象を向けることでその場で怒りを爆発させずにすむ方法が存在しています。

とにかくもう一度も怒りを爆発させたくないという人は試してみる価値はあると思います。




(8)帰る前にジムに行く

アスペルガーの人には闘争モードで仕事をしたあと、家に帰ってすぐに休息モードに戻すのが難しいタイプの人がいます。

アスペルガーの人の場合はどうしても脳を休息モードに切り替えるのに30分はかかると指摘している専門家もいるくらいで、家に帰ってもピリピリと仕事モードであるという例は見られます。

これは家事や子育てなどを巡って家族と言い争いになるリスクが高い上に、アスペルガー本人にとっても心を休めることができないため精神疾患などの合併症のリスクを高めてしまいます。

そのため、仕事が終わった後、家に帰る前に30分ほどの時間を取り、ジムに寄ったり、ウインドウショッピングに寄ったり、本屋に寄って立ち読みをしたりなどの時間を挟むことが有効だともされています。

私はジムに行くのが非常に効果的に感じていて、着替えをし、ウォームアップをし、ストレッチをし、筋トレをして心拍数が上がって呼吸も増えるくらいのタイミングでだいぶ気持ちがリセットされます。

季節によってはそこからプールへ行き有酸素運動もするのですが、その頃にはだいぶ気持ちがリラックスされるので、家に帰る時に不機嫌だったり、闘争モードだったりということはなくなります。

家に帰って(すぐに酒を飲むのではなく)すぐに牛乳で割ったプロテインを飲むと、リラックスはかなりの状態になりますので、併せてオススメです。


(9)重度の場合は投薬治療

「精神疾患の投薬治療なんて・・・」と、何の根拠もないマイナスのイメージを持つ人が周囲にいる場合は理解を得るのが難しい場合もありますが、説得ある臨床実験などを経て医学的に効果が認められていて副作用の効果も少ない薬は色々出ています。

特に発達障害に効果的であるとされる薬の他に、抗精神病薬、気分安定剤、抗うつ剤、抗不安剤などの活用が有効である場合もあります。

もちろん、服用にあたっては医師の指導のもとで行うことは必須です。


第三章:他人や社会との関わり合いのスキルをつける編

(10)専門の医療機関でのソーシャルスキルズトレーニングを活用する

今は地域の専門の医療機関で発達障害者向けの、他人や社会との関わり合いのスキルをつけるトレーニングを受けられる場所が多くあります。

状況を設定しての振る舞いやコミュニケーションのスキルをつけるトレーニングを専門家の指導のもとで行うことが出来ます。

ただし、「最も有効なソーシャルスキルズトレーニングは子どもであれば学校であり、大人であれば社会である」と指摘する専門家も多くいます。

職場でトラブルになることが多く、いつも人間関係がうまくいかないことで苦しんでいるアスペルガーの人も多いですが、人間関係改善の方法を身につけるのに最も有効な環境も職場であるという考え方です。


(11)ビジネスコミュニケーションスキルをつける

職場という環境は社会的スキルを身につけるために最も有益であるという考え方から発展して、アスペルガー自身が苦手だけれど、ビジネスで必要なスキルを、アスペルガー本人がちょっとした時間を使って身につけながら、職場で実践して行くという方法も有効です。

身につけるスキルは比較的すぐに身につけられて、かつ効果が大きいスキルから順に身につけるのがよいとされていて、

・笑顔のトレーニング
・マナーの簡易マニュアルの習得
・相手の自尊心を傷つけない会話のコツ
・時間管理術
・イライラを減らす方法

などの簡単な方法が紹介されている本を読むことから始めるなどです。

私も直感で適切なことを言うのは昔からすごく苦手だったので、学生時代のコミュニケーションの経験はビジネスで役に立つことはほとんどありませんでしたが、サラリーマン時代に自己啓発の本を読みあさった時期があり、その時に知ったいくつかのコミュニケーションのスキルは仕事をスムーズに進めるのにすごく役に立ちました。

職場でのスキルアップが目的であれば「コミックエッセイ アスペルガー症候群との上手なつきあい方入門 (宝島SUGOI文庫)」がオススメです。

イラストが多くて読みやすい上に、具体的な改善トレーニングが豊富で、しかも「あなたがアスペルガーの場合」と「あなたの職場にアスペルガーがいる場合」の両方の克服トレーニング方法が一つ一つの問題に対して丁寧に解説されていますので、職場の仲間に理解を求めるためにも有効です。







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