アスペルガー症候群ランキング 忍者ブログ

アスペルガー夫の特徴と対応策ブログ

Home > ブログ > > [PR] Home > ブログ > アスペルガーの特徴 > アスペルガーは記憶力がよい 〜長期記憶の量は豊富だが、思い出を話す時は脈略がなく、家事などの短期記憶は苦手〜

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

アスペルガーは記憶力がよい 〜長期記憶の量は豊富だが、思い出を話す時は脈略がなく、家事などの短期記憶は苦手〜

アスペルガーの人は周囲から「よくそんな昔の細かいことまで覚えているね」と言われることが多く、記憶力がよいと言われています。




ただし、アスペルガーの人は昔のことや興味のあることはよく覚えていて博士のように知識の引き出しが豊富であり、それらを思い出すのも速いのですが、その説明は脈略なく話すようなものでまとまりがない上に、身の回りのことやついさっき起こったことなどは忘れやすいという特徴があります。

これにはアスペルガーの脳の働きの3つの特徴が影響しています。

アスペルガーの脳はあらゆる記憶を海馬から大脳新皮質に保存するので大量に長期記憶することが得意

医師であり自身もアスペルガーである畠山昌樹氏の著書「ぼくはアスペルガーなお医者さん 「発達障害」を改善した3つの方法」ではアスペルガーが記憶力がいい理由や、その代わり身の回りのことやついさっき起こったことを記憶していられない理由、脈略なく立て続けに話す理由などについて、定型発達の人の脳とアスペルガーの人の脳の違いをもとに解説しています。

脳には目の前で起こったことを一時的に記憶する「海馬」という部分と、その中でも繰り返し経験したり、感動したり、「覚えよう」と強く思ったりした出来事を長期的に記憶する「大脳新皮質」という部分があります。

このうち、目の前の出来事を脳の中の海馬に一時的に記憶として保存するのは定型発達もアスペルガーも一緒です。

しかし、定型発達の人はこれらの記憶の中で「おもしろい!」と強く思ったり、何度も同じものを見聞きしたり、感動したり、「覚えよう」と強く思って繰り返し記憶しようとしたりした記憶のみ、長期的に記憶を保存する場所である大脳新皮質に移動して保存します。

この「記憶を海馬から大脳新皮質へ移動する」という作業はかなりエネルギーを使う上に、脳の中の容量のうちかなりの部分を使うことになるため、定型発達の人は本当に大事な情報以外は大脳新皮質に記憶しないようになっています。

記憶を海馬から大脳新皮質へ移動しなかった情報、これはよく言われるどうでもいい情報や知識にあたるものですが、これらは自然と忘れて行きます。

ところが、アスペルガーの人の脳は海馬に一時的に保存した記憶を片っ端から大脳新皮質へ保存するという特徴を持っています。

本当に感動した出来事も、すぐに忘れてしまっても問題ないどうでもいい出来事も区別することなく片っ端から大脳新皮質へ保存して記憶するため、どうでもいいことをよく覚えていて「記憶力がよい」と言われます。

海馬から大脳新皮質へ情報を移動して長期記憶することは多大なエネルギーと脳の容量を使うにもかかわらず、アスペルガーの人はそれをたいした苦労もなく大量にこなせてしまえる理由として、目の前で起こったことを海馬に一時保存する際の方法が定型発達の人と違うからという点が指摘されています。

定型発達の人は目の前で起こったことを自分の感情やエピソードと合わせて海馬に保存するのに対して、アスペルガーの人は事実だけを写真のように海馬に焼き付けてどんどん保存します。

感情などの(アスペルガーにとっては)余計な情報を記憶せず、事実のみを記憶するのでそのぶん大量の事実を記憶できるのです。


例えば、久しぶりに地元に帰るとそこで遊んだ記憶が蘇ることはあると思いますが、私が実家に帰った際に両親と家の周りを車で走り、そこでの記憶を次々に話すと「よくそんなことまで覚えているね」と言われることが多いので、これもよく覚えている方なのではないかと思います。

これも恐らく定型発達の人であれば、入ってはいけないエリアに入ってめちゃくちゃ怒られた経験や、初めての体験ですごく楽しかった体験のみ海馬から大脳新皮質へ移動して長期保存し、今でも覚えているのかもしれませんが、私は家の近所、半径3km圏内くらいであればどの場所でも「ここではこんなことをして遊んだ」という記憶があるような感じです。


アスペルガーの人は興味を持ったことは何でもすぐに大量に覚えてしまうことが多く、子どもの頃は鉄道博士、昆虫博士などの「博士」と呼ばれたり、大人になってからも弁護士や医師や研究者として活躍したりという特徴がありますが、これもこのような長期記憶のやり方の特徴が活きた例だと言えます。

私も小さい頃はF-1と阪神タイガースの博士でした。

F-1は車種、ドライバー、エンジン、タイヤなどの情報や戦績を片っ端から覚えていましたし、「何年の何月のどこのレースではどのような順位だった?」と聞かれたら入賞(上位1〜6位くらい)した車種、ドライバー、エンジン、タイヤくらいは答えることができましたので、かなり覚えていた方だと思います。

阪神タイガースについては年度別のチームの順位はもちろん、現役選手からOB選手に至るまで背番号、出身校、活躍した主な試合やエピソード、家族構成、応援歌まで覚えていたので、地元の千葉では私より阪神に詳しい人はまずおらず、大人になって大阪に引っ越した際は、大阪の人があまりに阪神タイガースに詳しくないことに驚いたくらいです。

これらも片っ端から記憶するという特徴が現れていると思います。


アスペルガーの人は記憶する時に情報に「タグ付け」しないので思い出すのが速い

また、定型発達の人とアスペルガーの人には大脳新皮質に記憶する際の記憶のしかたに違いがあり、これは記憶を思い出す際に差となって現れます。

一時記憶をする海馬から長期記憶をする大脳新皮質へ移動する際、定型発達の人は「どの仕事でした経験か?」「どの旅行で見た景色か?」「どんな種類の体験か?」などという情報を合わせて「タグ付け」するようにして保存し長期記憶する傾向があります。

一方、アスペルガーの人は日付くらいしかタグ付けせずにどんどん保存します。

そしてこれらの定型発達の人が大脳新皮質に保存する際につけた「どの仕事」「どの旅行」などの分類タグは、あとから記憶を思い出して話す際に使いますが、色々なタグからたどって絞り込んで思い出す作業も多くのエネルギーと時間を使います。

そのため、長期記憶されている情報でも思い出すのには「え〜っと・・・」と時間がかかります。

一方、アスペルガーは大脳新皮質に記憶を保存する際に写真のように事実そのものしか保存しない上に、思い出す際にもいきなりその情報を一発で指定して思い出すことができるので思い出す作業にあまりエネルギーがいりません。

結果、思い出などを思い出して話す際に、アスペルガーの人は情報の数は大量にあるのにその時どう思ったかなどはあまり話せないことが多かったり、「どの仕事でやったんだっけ?」「どの旅行で見たんだっけ?」などと考える必要がない分、思い出すスピードが速かったりという特徴があります。


上述のように私は小さい頃に地元でどこでどんなことをして遊んだかの記憶についてよく覚えているようですが、これらはいつでもすぐに説明できるような感じです。

これももしかしたら定型発達の人も大脳新皮質に保存されていて記憶されているにもかかわらず、「誰と遊んだんだっけ?」「ここで楽しいことあったかな?」というタグから探そうとして労力がかかってしまい、結局思い出して説明できないだけなのかもしれません。


また、私は海外旅行によく行く方ですが、海外旅行で行った場所もよく記憶している方だと思います。

最近海外旅行に行った友達が「台湾の料理」について話していたら、私の頭の中では自分が台湾に行った際に食べた台湾の料理店の場所が写真付きのリストになった状態で頭の中でリストアップされていくイメージで、すぐに自分が体験した台湾の料理について、場所や店のようすやメニューと合わせて話すことが出来る感じです。

これは「ベトナムの買い物スポット」でも、「タイのマッサージ店」でも、「グアムのレストラン」でも、「北朝鮮の金日成の銅像が建っている場所」でもある程度はすぐにリストアップでき、会話が出来ると思います。

これも「会社の人と行ったタイ旅行でマッサージに行ったような・・・」「妻と行ったグアムではどのレストランに行ったかな・・・」というようにタグから絞り込みながら思い出していたらすぐにはリストアップできないと思います。


アスペルガーの脳は引き出した記憶を一時保存(ワーキングメモリー)することができないため、思い出の話も脈絡がなく、家事なども忘れがち

更に、アスペルガーの人は「記憶力がいい」と言われているにも関わらず、その記憶を話す時は脈絡がなく一方的に話し続けたり、昔のことはよく覚えているのに家事などは忘れがちだったりという特徴があります。

これは、アスペルガーの場合、脳の中の「前頭葉」という大脳新皮質から引っ張り出して来た記憶を統合して一時的に保存(ワーキングメモリー)する場所の働きが欠けていることが原因だと言われています。

前頭葉は思い出した記憶を統合し、一時的に保存(ワーキングメモリー)するので、例えば「台湾の料理」について思い出して話そうとした場合、定型発達の人は「彼女と行ったこの店」「会社の旅行で職場の上司と行ったこの店」「辛い料理ならこの店」というように、思い出した情報を整理してまとめることができます。

その上で、今目の前の人が「来週、辛い物が苦手な彼女と台湾に旅行に行く」という話をしていたら、定型発達の人は一通り話を聞いた上で「それならばこの店が美味しかったよ」と話すことが出来ます。

ところがアスペルガーは「台湾の料理」について記憶を思い出して話そうとした際に、前頭葉で思い出した情報を整理してまとめることができないため、頭に浮かんだリストのまま「自分はこんな店に行った。次にこんな店に行った。別の機会にもう一度台湾に行った際はこんな店に行った。」というように延々話す傾向があります。


また、前頭葉の一時保存(ワーキングメモリー)機能は仕事や家事などの際にもよく使われる機能です。

例えば、奥さんから「後でコンビニでミネラルウォーター買って来て」と言われ、その後で「ところで聞いてほしい話があるんだけど、昨日会った友達が言ってたんだけど・・・」と言われることがあったとします。

この場合、定型発達の人は「今日はコンビニに行った際にミネラルウォーターを買う」という記憶を前頭葉に一時保存(ワーキングメモリー)した上で、妻の話を聞き、その後でコンビニに行った際に前頭葉から「ミネラルウォーターを買ってと妻が言っていた」という情報を引き出して買い物を済ませることができます。

ところがアスペルガーの人はこの前頭葉に一時保存(ワーキングメモリー)する機能が欠けているため、「ところで聞いてほしい話があるんだけど・・・」と言われた際に、「コンビニでミネラルウォーターを買ってと言っていた」という情報が押し出されて消えてしまいます。

これにより買い物の際に買うべき物を忘れてしまうということが起こります。

これは様々な仕事で求められるマルチタスクが苦手という特徴にも現れます。

チャーハンを炒めるフライパンを加熱し、その間に千切りキャベツの仕込みをし、フライパンが暖まったらチャーハンを炒め、火を消したら皿とレンゲと紅ショウガを用意し、盛りつけて出したら千切りキャベツをタッパにしまう、というような作業が必要であれば、序盤の千切りキャベツの仕込みを始めた段階でフライパンを加熱しすぎてしまうというようなことがザラに起こります。

これは定型発達の人であれば「今はチャーハンを炒めるフライパンが加熱しているので、暖まったら炒め始める」という情報を前頭葉に一時記憶(ワーキングメモリー)できるので、「チャーハン→千切り→チャーハン」と作業を移行できるのですが、アスペルガーの人は一時記憶(ワーキングメモリー)できないため、どちらかの作業をやっていたらもう一方の作業が記憶からなくなりおろそかになってしまうのです。

私は経営コンサルティングの仕事をしていた際に、よく上司から「すぐに視野が狭くなる」と言われましたが、これは一つの仕事をしている時は、他に同時進行で進めていた仕事を記憶できず、その時は忘れてしまうので、一つの仕事にのめり込んで集中してしまう傾向があるというのが正しい表現なのかもしれません。

このような特徴があるアスペルガーの人であれば、ToDoリストを作って活用したり、やることを付箋に書いて見えるところに貼るようにしたりするなどの対策が必要です。

また、夫がこのような特徴を持つアスペルガーだったり、職場にこのような特徴を持つアスペルガーの人がいるようであれば、LINEやメールやメモ帳などに書いて指示を出し、忘れないように配慮してあげることが有効だと言えます。


やたらと長期記憶の記憶力がよい一方、家事などの短期記憶の記憶力が弱いアスペルガーの脳の特徴をわかりやすく理解するには、上述の「ぼくはアスペルガーなお医者さん 「発達障害」を改善した3つの方法」がおすすめです。

アスペルガーの子どもの学校での特徴、アスペルガーの大人での仕事をする上での特徴だけでなく、青春時代の言動、対策なども書かれていて、網羅的な内容であるとともに、医学的な内容についても図解入りでわかりやすく解説されているので理解しやすいです。










にほんブログ村 メンタルヘルスブログ アスペルガー症候群へ
にほんブログ村
PR

Comment0 Comment

Comment Form

  • お名前name
  • タイトルtitle
  • メールアドレスmail address
  • URLurl
  • コメントcomment
  • パスワードpassword

PAGE TOP