アスペルガーはうるさい音が苦手　〜ただし、そのくせ自分はよく騒ぎ「うるさい」と言われるアスペルガーも多い〜

アスペルガーの中には視覚・嗅覚・触覚だけでなく、聴覚が過敏になっているタイプの人がいて、このような人はうるさい音が非常に苦手です。

聴覚が過敏になってしまう現象はアスペルガー以外にも自閉症やADHDの人にも見られるとされています。

定型発達の人の脳は、耳から入って来た膨大な量の情報の中から必要な物を選別した上で、思考活動を司る前頭葉に伝える「フィルター機能」がついています。

このフィルター機能が働いている定型発達の人の脳は、耳から入って来たたくさんの音の情報の中からどれに注意を向けるかを選別できるため、フィルター機能は「注意洗濯機能」とも呼ばれています。

ところがアスペルガーなどの発達障害の人の脳はこのフィルター機能が低下しているとされています。

したがって、騒がしいところに行くと相手の話だけでなく騒音も一緒に脳の前頭葉に取り込んでしまうため、思考活動ができなくなってしまいます。

そしてこれはADHDの人よりも、自閉症やアスペルガーの人の方がもっと激しく、癇癪やパニックを起こしてしまうこともあります。

私も雑音がある場所だとそれだけでテンションが一気に落ちてしまい、会話が楽しめなくなることが多く、パーティー会場などは苦手です。

このため、アスペルガーの人はただでさえ社交性に障害があるのに音も苦手となれば、パーティーに行ってもちょっとしたことで癇癪を爆発させてしまったり、理解不能な行動を取ってしまいがちになります。

このような場合、周囲の人が気を配ってストレスが溜まりそうなら静かな場所に一緒に移動するなどが必要です。

アスペルガーの聴覚過敏なタイプで多いとされているのは、ある種類の音を極端に嫌がったり、騒々しい場所では不機嫌になったり、花火の音を嫌ったり、機械音が聞こえるところから逃げ出したりしたくなったり、赤ちゃんが泣いている場所でストレスを感じたりするというタイプです。

私は定型発達を含めた多くの人と同じように黒板をひっかくような音が特に嫌いですが、木が擦れる音全般が大嫌いなので、家で妻が木製の家具を動かした時に木の部分が擦れてキーッという音がすると、すごく小さな音でもそこから逃げ出したくなってしまいます。

また、騒々しい場所では不機嫌になると思いますし、昔は電車や公共の場などで赤ちゃんが泣いているとすごくイライラしましたので、多少、この傾向があると思います。

なお、アスペルガーの人は聴覚だけでなく、味覚・触覚・嗅覚のいずれかが過敏なタイプの人もいて、これらの人は偏食になったり、人に触られることを極度に嫌ったり、何かの匂いを極度に嫌ったりすることがありますが、その逆にいずれかの感覚が極端に鈍化している場合もあります。

聴覚が鈍化しているパターンの人はクラブなどの騒がしい場所でハイテンションになるようなタイプのアスペルガーも存在します。

なお、アスペルガーの中には特定の音や大きな音、騒がしい場所を嫌うタイプの人がいますが、このような人自身がもの静かで大人しいとは限りません。

特にアスペルガーの人の中でも「積極奇異型」と呼ばれる、積極的に人に声をかけ、よくしゃべるようなタイプの人は、多くの人の話し声が入り交じっているパーティー会場のような場所の音は苦手なのにも関わらず、自分はよくしゃべり、周りからは「うるさい人」と言われているケースもあります。

また、アスペルガーはストレスが爆発して癇癪を起こしやすい傾向にありますが、癇癪を起こした際に声の大きさが調整できなくなり、不必要に大きな声を出してしまうという特徴がある人もいます。

私は恐らくこのようなタイプで、妻と口論をしている時は不必要に大きな声をあげてしまうことが多いです。

妻にも大迷惑ですし、近所にも迷惑なので不必要に大きな声を出すのは絶対に辞めた方がいいのですが、これはアスペルガー自身は特にストレスが爆発してしまっている時は自身ではコントロールできない場合が多いので、第三者が注意するなどの対応が必要です。

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