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アスペルガーは共感しない 〜相手の気持ちがわからず、心が反響することもないため、奥さんは「一緒にいてもひとり」状態になりがち〜

アスペルガーの人は「共感する」という感覚に欠けている上に、共感することに必要性を感じていない傾向があります。




アスペルガーが共感しないのは脳の機能のうち「心の理論」の未発達と「情動的共感」の低下が原因

アスペルガー症候群の人が「共感する」ということが少ない理由の一つ目として、自閉症とアスペルガー症候群について著書「Autism and Asperger Syndrome (The Facts)」にまとめたバロン・コーエンは、相手の立場になって考える力である「心の理論」の未発達が挙げられるとしています。

定型発達の子どもはまず自分を抱こうとして差し出された手を見てその意図を察知したり、「危ない!」という声を聞いて危機を察知したりという「注意の共有」を習得します。

次に、積み木を車のように見立てたり、医者ごっこや運転手ごっこをしたりする想像遊びに興味を抱きます。

さらに、相手の立場になって考えることができるようになり、嘘を見抜けるようになります。

これらの「心の理論」の発達過程はアスペルガーの子どもでも習得するのですが、その発達が遅いのが特徴です。


さらに、アスペルガー症候群の人が「共感する」ということが少ない理由の二つ目として精神科医である岡田尊司氏は著書「アスペルガー症候群 (幻冬舎新書 お 6-2)」で「情動的共感」の能力が低下していることが挙げられています。

人間の脳は相手の感情を理解する際に、頭で理解するというよりも波動のように響いてくるようにできていますが、アスペルガーはこの部分が弱いです。

更に、直感や感覚で理解する「情動的共感」は弱いのですが、「声を荒げているから怒っているのだ」「『悲しい』と言ったということは悲しいのだ」というように頭で考える「認知的共感」は低下していないことが多いため、相手の感情を探る際に頭で考えようとする傾向があります。

これは私もそうで、特に妻とは「自分がどう思ったか」という感情の話になると噛み合ないことが多いです。

妻は「こう感じたんだ」「わかってほしい」という感情の話を熱弁するのに対して、私は「そんなにつらいならやめたら」「そんなに嫌なら別の例えばこんな方法にしたら」「やりたいならやれば」と解決策の話をするというパターンが多いです。

妻はたぶん感情を共感し合いたいのでしょうが私には共感することが苦手な上に、感情にも共感にもほとんど興味がなく、私は解決策を考えてしまう癖があり、論理的に解決策を考えるのが好きな上に、妻は(状況にもよりますが)解決策にはあまり興味がないことが多いので噛み合ないのは当然です。

このように「心の理論の未発達」と「情動的共感の低下」という二つの特徴により、「共感する」ということが少なくなります。

もちろんこれらの機能の発達度合いも、同じアスペルガーでも人によってすべて違うので共感できるタイプのアスペルガーも存在します。




共感がないので定型発達の人からすると「一緒にいてもひとり」になる

アスペルガーについて紹介した著書は多数ありますが、夫がアスペルガーであり、夫の「共感がない」という点についての辛さをよく表しているのが、アスペルガーの夫を持つ定型発達の奥さんであるカトリン・ベントリー氏が書いた著書「一緒にいてもひとり―アスペルガーの結婚がうまくいくために」です。

私の妻はタイトルの「一緒にいてもひとり」という言葉がそれをよく表していると言っていました。

カトリン・ベントリー氏は同著の中で、

・本当の夫がわからない気がする
・長く一緒にいるのに知らない人と暮らしているようだ
・二人の会話は初対面の人との会話に似ている
・私が知っているのはお金のことに有能でスポーツが大好きだということだけだ
・身体はあるけど、心はないと感じる
・私は感情に導かれ、夫は論理にとらわれる。私にとっては結婚はつながりを持つことだが、夫にとっては一緒に楽しむ人を見つけること。じっくり話し合うのが私は大好き。彼は大嫌い。共通する物が何一つないように感じる。
・感情的な一体感がない
・仲睦まじさが欠けている。仲睦まじさとは辞書で引くと「ほかの人間と内なる考えや感情のほとんどをわかちあうこと」とあり、同義語は「親しみ」「近いこと」「一体感」とあるが、どれも私たちの結婚とは無縁

というように語っています。

そして、この辛さは周囲の同性の友達などに話しても理解されないことが多く、ほとんどの場合は「うちの夫だってそんな感じ。男なんてそんなもん。」というように返され、理解されない苦労からカサンドラ症候群に陥ることが多いです。

これらの問題はアスペルガーの夫はそれを全く苦痛と思わないため、もちろん夫には理解することはできません。

上記のような感情を抱く人について、私が思うことは以下のようなことです。

・本当の夫がわからない気がする
 →そりゃ、誰だって人の本当のところなんてわからないでしょう。俺だって本当の俺のことなんてわからないんだから。そんなことで悩んでも仕方ないでしょう。

・長く一緒にいるのに知らない人と暮らしているようだ
 →知ってるでしょ。生い立ちとか、どんな仕事してたかとか、阪神ファンであることとか、ダイエットにはまってることか。意味がわからない。

・二人の会話は初対面の人との会話に似ている
 →似てないと思うけど。初対面の人と話すのは俺は苦手だけど、今は普通に話せるから、むしろ初対面の人との会話とは逆だと俺は思うけど。

・私が知っているのはお金のことに有能でスポーツが大好きだということだけだ
 →いや、もっと知ってるでしょ。意味がわからない。

・身体はあるけど、心はないと感じる
 →あると思うけど。俺、けっこう怒ったり笑ったりするじゃん。

・私は感情に導かれ、夫は論理にとらわれる。私にとっては結婚はつながりを持つことだが、夫にとっては一緒に楽しむ人を見つけること。じっくり話し合うのが私は大好き。彼は大嫌い。共通する物が何一つないように感じる。
 →あるでしょう。食事に気をつかったり、一緒にゴルフしたりダイビングしたり、同じ本を読んだり映画を観ておもしろいと感じたり、色々共通してるじゃん。だいたい全てが共通している人なんていないんだから「もっと共通している人と結婚した方がいいのではないか」と言うのであれば、一生結婚相手を捜さないといけなくなるよ。そうじゃなくて、結婚してから共通するものを見つけて、共通しない点を受け入れるようにしたらいいんじゃないの。

・感情的な一体感がない
 →感情的な一体感ってどんな状態のことを言っているんだろう。一緒の感情を持つことはあると思うけど。

・仲睦まじさが欠けている。仲睦まじさとは辞書で引くと「ほかの人間と内なる考えや感情のほとんどをわかちあうこと」とあり、同義語は「親しみ」「近いこと」「一体感」とあるが、どれも私たちの結婚とは無縁
 →友達などからは結構「仲良い」と言われることが多いと思うけど、それとは違うのだろうか。親しみ、近いこと、一体感とは何を言うんだろう。あまりよくわからない気がする。

これらを読み返してみても、奥さんの方は「感情の一体感」「親密さ、親しみ」を求めているのに対して、私はそれらの言葉について「何が正しいか」「どういう意味を持つのか」について考え、「どう考えるべきか」「どう行動すればよいか」ということを話している傾向があります。

これはアスペルガー夫の脳の機能の特徴なので、夫に「共感しろ」と言ってもできないため、夫の行動の方を長い時間をかけて修正するよう持って行くことが重要です。

また、奥さん自身がアスペルガー症候群を理解しない限り、奥さんの苦労は解消されず、周囲にも理解されないことからより苦労を深めることになるため、まずは奥さんはアスペルガー夫の特徴と対応策を理解することが重要です。

アスペルガー夫婦の「夫が共感しない」「一緒にいてもひとりな気がしてつらい」という方は上述の「一緒にいてもひとり―アスペルガーの結婚がうまくいくために」がおすすめです。

恋愛段階、結婚段階、新婚段階、子どもができてから、子育て、性生活、趣味、社交、仕事、突発的な事件などがかなりのリアリティをもって紹介されています。

なぜ夫が信じられない事件を起こしたり、理解不能な行動を取るのかもアスペルガー症候群の特徴と併せて解説されていて、奥さんがカサンドラ症候群になった時の対策も解説されているのでお勧めです。







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